小さな頃から、夏になると見たくなるのは決まってこの作品。クリスマスと名はつくが、私の中ではあまり冬を感じない作品である。
サンタクロースと言う生き物は不思議な生態だ。
おそらく、みなさんの思うサンタはクリスマスシーズンには徹夜してでも働き回っている勤勉なイメージだと思う。
多分給料形態は、遠洋漁業の方のような働き方だと個人的には思っている。
この作品はサンタの1年間の労働環境だけではなく、かなりの割合でサンタの休日についてもフォーカスしている。
何が面白いかと言えば、この作品のサンタは決して聖人ではなく、何かにつけてブチブチと文句を言いがちな少し偏屈なじいさんの仕事ぶりと、思い切った余暇に人間味を感じるところではないだろうか。
淡々とクリスマスに向けて下準備をこなすものの、このじいさんは、準備の間もぶつくさと物を言う割には詰めが甘かったり、日頃のストレスなのか、羽目を外して結構なやらかしをするのである。
それもそうか。サンタの正体がバレそうになると、余暇の場所を変えざるを得ず、プライベートもへったくれもないのだろう。
きっと芸能人が派手にお金を使ったり、外国で羽を伸ばすのもこんな苦痛を感じているのかもしれない。
いつこの作品を見ても、人気商売の物悲しさすら感じる。
なぜか、この作品を見ると安心するのだ。
サンタもひとりの人間なんだな、と。
夏になると会いたくなる、サンタさんと呼ぶには、ちと破天荒なサンタのじいさんの話。