特別お題「わたしの2022年・2023年にやりたいこと」
私たち夫婦は互いが生まれ育った町の2Kに人が2人立って並べるくらいの小さなベランダがついた部屋から始まった。
そうは言っても神奈川県の中では田舎な土地で、これでも都心や横浜に住むよりも、うんと良心的プライスの家賃だった。
実家にいた時や仕事をしている身で買い物や病院、インフラ、職業選択の自由。
困ったことはひとつも無かった。
しかし、子供に恵まれてから見えた景色はどこかセピアのフィルターを通したようだった。
公園が消えた。
子供が消えた。
馴染みの店が消えた。
母校が消えた。
畑や緑が消えた。
道路でしか遊ぶことができない子供は家の中へ追いやられた。
当たり前だった環境は廃れていき、自然に触れるためにお金を稼ぐ。
自然や人との触れ合いがずいぶんと贅沢品に変わっていた。
その当時のママ友も学習面や物質面で満たそうとする人が多かったように思う。
かつての私たちがさせてもらっていた、ごく身近な体験を我が子に。
そうして乗り出してきたのがここ、香川県。
丸亀市から三豊市に拠点を移したのも同じ理由。丸亀市の公園や畑がこの数年でポツリポツリと変わっていき、故郷と同じ風景になる片鱗を感じてしまったからだ。
私たちが見てきた香川県の子供は本当にたくましく、面倒見の良い子が多く、子供が子供らしくいられるあたたかさがある。そんな町が多い。少子化とは無縁そうな賑わいの町も。
首都圏だと諫められてしまうだろうパワフルさを暖かく見守ってくれる環境がある。
そのご厚意に思い切り甘えながら、我が子がさらに健やかに過ごせるように、引っ越してからすぐ、少し荒れていたお庭を全員で整え始めた。
香川県の成人の日は春を思わせるほど暖かく、
雪で交通網が麻痺するのが当たり前な首都圏では考えられないほど。
いちごの花はもう蕾をつけているし、それに誘われて、とうとう我が家にもミツバチがやってきた。
ミツバチが来た山茶花の花を観察し、おまめは蜜をシェアハピ。導かれるようにミツバチと共存を始めていた。
そんな光景を見てると、やはり思わずにいられない。
子供が幼いながらにした体験や思い、風景を出来るだけ無理ない形で残してあげたい、と。
きっとこれから生まれてくるにまめにも、そして、今体験しているだろうおまめの頭の片隅に少しでも残ってくれるようなお庭、お家づくり。
それが、私の今年したい事。